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老人ホーム2ヶ所の見学に行ったら、それだけで丸一日潰れてしまった。
どちらも家から遠い上に、その2つ同士も離れていた。
途中で雷が鳴って雨が降り出したが、歩いている時に当たらなかったのは幸いだった。
バス、電車、徒歩を組み合わせて行ったが、歩くのが好きなので徒歩を多めにした。
比較的都会の方の施設は住宅密集地の先にあって、緑豊かな団地のそばを通って行った。
なかなか環境が良さそうだと思いながら歩いていると、散歩中の犬たちを何度も見かけた。
小さなスペースにベンチを見つけたが、無意識に猫さんの姿を探してしまう。
こんなところにはいないと自分に言い聞かせながら近づくと、なんと排除ベンチだった。
寝そべることができないようにしてあるのだ。
それに見るからにくつろげない外観である。
日本はベンチなどでくつろいでいる人が少ないが、このベンチはまるで座るなと言っているようだと思った。
さらに団地の入り口には看板があって、「ここで犬を散歩させないでください」と書いてあった。
こういう不寛容さを目の当たりにすると心が寒くなる。
排除あるところに寛容はなく、共生など実現しないだろう。
狭い歩道を窮屈そうに歩いている犬たちを見ると、ごめんねと謝りたくなる。
のびのび暮らせるところで生活する方がいいに決まっている。
たとえ都会でも、トルコのように生き物に寛容な社会だったら、大都会でももっと居心地が良くなるだろう。
イスタンブールはその好例だ。
やはり人間がどういう社会を作っていくかにかかっている。
動物を取り巻く状況は、個人レベルでも社会レベルで人間に大きく影響されるので、そのことを常に自覚したいと思った。
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