ドッグウォーカー博士のスローライフ

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コミュニケーション 犬の気持ち

犬が見つめてくるとき

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北風が強くて少し肌寒い朝だった。

暑くないという点では歩きやすいが、風が強いので犬たちは外せないポイントだけ回って早めに散歩を切り上げた。

はっちゃん(秋田MIX♂8歳)の散歩時間には犬に会うことがあるが、回避しやすい道が多いので楽だ。

絶対数が少ないようで、犬よりもネコさんとの遭遇率のほうが高い。

はっちゃんにとってはうれしいことだ。

散歩が充実していると生活の質も上がるので、いい散歩場所を見つけることが大切だ。

隣町漁港に向かっているとき、はっちゃんがふと立ち止まってわたしの顔を見上げてきた。

「風が強いね、どうする?」という感じだった。

「どうしよっか~」と言いながらはっちゃんを見返すと、その瞬間に風が弱まって日が差した。

すると、「行こう!」と歩きだした。

はっちゃんはよく相談してくれる。

犬が見つめてくるときは、相談ごとや要求などを伝えたいときであり、いいかえればコミュニケーションを取りたいときだ。

強い要求があるときには目からビームを出さんばかりに見つめてくるが、甘えたいときはソフトなやさしい眼差しになる。

 

 

犬は進化の過程で人との間でコミュニケーションする能力を発展させてきたので、わざわざ教えたりなどしなくても上手にできる。

わたしが保護した犬の中では、ほとんど人間と接触せずに育ったコンちゃんがこの能力に長けている。

マルちゃん(大型犬MIX♂12歳)もほとんど人馴れしていない状態でうちに来たが、人間の意向を察してそれに合わせるのが得意だ。

最近では様々な研究によって犬のコミュニケーション能力の高さが明らかになってきているのに、なぜずっと以前に人間が考案したアイコンタクトのトレーニング(名前を呼んでおやつetc)をいまだに続けているのだろうと不思議に思う。

犬は用があれば自分からやってくるし、困ったときには人に助けを求める。

人間側の提案も無理筋でない限りは受け入れようとするし、期待に応えようとがんばりさえする。

これ以上、犬にあれこれさせないでほしい。

犬の能力を正当に評価し、もっと犬を信頼して犬の判断を尊重したいものだ。

教えなければできない、放っておけば好き放題して手が付けられなくなる、というような犬の見方は過去の遺物として葬り去ろう。

人間は出しゃばりすぎず、必要な時に控えめにサポートする程度にしよう。

 

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