ドッグウォーカー博士のスローライフ

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ハンドシャイの原因は虐待だけじゃない

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引き続き食欲がなく、水下痢をしているはっちゃん(秋田MIX♂9歳)。

とても心配だが、スイカは食べており呼吸も安定している。

今朝は曇っていてずっと寝たままで散歩の催促がなかったので、いよいよよくない事態になったかと心臓がぎゅっとなった。

だが、わたしが朝の習慣の白湯を飲み終わると、「それじゃ散歩に行こうか」と立ち上がっていそいそと玄関先に向かった。

わたしの習慣をいつものように尊重してくれただけだったのだ。

わたしの方はいちいち過剰反応して驚くので、何とかコントロールしないといけないと思っている。

が、なかなか難しい。

今朝もネコさんポイントに行くと、何頭かが朝ごはんを待っていた。

 

「あそこにネコさんがいるよ!」

 

「こっち見んな、あっちいけ」。

 

ネコさんを見つけると、うれしそうな顔をしてこっちを見てくるところがかわいい。

このあとは漁村に行ったり隣町コースを少し歩いたりして長めの散歩を楽しんだ。

食欲はないが元気はあって散歩が楽しめているので、せめてこの状態が続いてほしい。

はっちゃんの容体が安定していたので、わたしは大急ぎでタイヤ交換に行ってきた。

はっちゃんの病院に行くときに高速を使うのでタイヤ圧をチェックしていたら、ひびが入っていることに気が付いた。

スリップサインは出ていないが、タイヤの製造年を見てみると8年も前になっている。

このまま乗り続けるのはとても危険な状態なので、はっちゃんの動物病院に急行する事態になる前にタイヤを交換しておくことにした。

去年、中古でこの車を買ったときにはまだタイヤは使えると言われたので、その言葉をうのみにしていたが、早くチェックしておくべきだった。

なるべく家を留守にしたくないが、どうしても必要な時には容体が安定しているときに大急ぎで行ってくるようにしている。

明日も楽しくお散歩しようね、はっちゃん。

ところで、「ハンドシャイ」という言葉を聞いたことがあるだろうか?

これは人の手を怖がったり嫌がったりする状態のことをさす。

人間が手を伸ばすとびくっとしたり、身をすくめたり、避けようとしたり、逃げようとしたり、逆に攻撃しようとしたりする。

その原因として、手で叩かれるなどの虐待がよくあげられているが、必ずしもそればかりではないということを知っていただきたいので、このテーマについて書こうと思った。

まず、犬が人間にとって「いけないこと」をしたときに、たとえ軽くであっても体を叩くことは現在のグローバルな動物福祉基準に照らすと虐待である。

叩くことだけでなく、叱責によって精神的苦痛を与えることも虐待に相当する。

このことをよく認識しておく必要があるだろう。

その上でということだが、叩いていないのに犬が手を怖がるという話をよく耳にする。

小型犬に比較的多い傾向があるが、中大型犬にも見られる。

うちではマルちゃん(大型犬MIX♂2021年没)がそうだったので、手を動かすときにはいつも細心の注意を払っていた。

ルルさん(ヨーキー♀2017年没)は保護した当初、かなり反応していた。

マルちゃんは叩かれていた可能性もあるが、ルルさんの場合はペットショップの裏で放置され食べ物だけもらっている状態だったので、叩かれたりしていない可能性の方が高い。

ではなぜ怖がるようになるのだろうか。

小さな犬は「かわいい」からと、人間に撫でまわされやすい。

その際に、顔の真正面から手を伸ばしたり、頭をわしゃわしゃ触ったり、強い力をかけたりなどされることが往々にしてある。

これらは体の小さな犬にとっては恐怖でしかない。

中大型犬であっても人間よりは小さいし、いきなりぐいーんと伸びる「手」を持っていないので、不安を覚えるのも無理はない。

そういう怖い経験を積み重ねることで、手は怖いものと学習していくのである。

「叩く」というわかりやすい虐待だけが原因ではないのだ。

どういう行動が犬に恐怖や不安を与えるか、人間はもっと犬目線になって考える必要がある。

目線と言えば、犬は床に近いところにいるので、せわしなく動く人の足に反応しやすくなりやすい。

人の足に噛みつこうとするのは、手の場合と同じく恐怖や不安が原因である。

したがって、叱ったところで直るものではなく、むしろ逆に悪化するリスクが高まる。

一般的に、ハンドシャイの犬には手からおやつをあげて、手を好ましいことと関連付ければいいなどと言われているが、この方法には問題がある。

手から食べ物をあげたらたしかにいい関連付けはできそうだが、その一方で雑な触り方を改めずに恐怖を与え続けていたら、犬は葛藤状態に陥る。

実際、そうなっている犬をしばしば目にした。

おやつは食べたいけど怖いという状況は、犬に多大なストレスをかけるし、手への恐怖心も残り続けるだろう。

ハンドシャイを改善するために行うべきは、手で嫌がらせをしないということに尽きる。

ついでに、手だけでなく、言葉でも、態度でも、嫌がらせをしないことが大切だ。

人間が嫌がらせのつもりはなくても、犬が恐怖や不安を感じたらそれが犬にとっての嫌がらせである。

自分の体のパーツの動かし方、姿勢、言葉、態度など、犬と接するときには常に意識するようにしよう。

それが異種の生き物と付き合う時の最低限のマナーである。

 

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