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春らしい絶好の散歩日和だ。
だが今日は朝からはっちゃん(秋田MIX♂9歳)と遠くの動物病院に行ってきた。
軽度十二指腸炎と腸リンパ拡張症の経過観察のためである。
通院のときには前日から伝えておくが、当日もわたしがリュックを持って出るので確実にわかっている。
普段の散歩ではしないのに通院の時は門の前で興奮気味に鼻鳴きするし、車の前でちゃんと待っているのだ。
今回は待ち時間が少なかったし、車で待っている間は落ち着いて寝ていた。
駐車場から待合室に入るときも嫌がらずにさっと通り、いすに座って待っていた人やダックスさんに「こんにちは!」と愛想を振り撒く。
散歩のときに会う他犬はあまり好きではないのだが、動物病院で会う犬にはガウられない限り友好的だ。
これは若いころからずっとそうだった。
診察室は獣医や看護師が行き交って落ち着かないが、はっちゃんは顔見知りの女性獣医や看護師にそっとすり寄っては撫でてもらっていた。
だが暇そうにしていた若い見習い男性獣医が撫でようと近づいてくると、ちょっと嫌そうにしてしっぽを振るのをやめていたので、気づかれないようにクスッと笑った。
「はっちゃんはお姉さんが好きなんだよ」と心の中でつぶやく。
診察の結果、吐き気止めの薬をやめてからもぶり返していないので、このまま様子見ということになった。
もう一つ、夜間の尿失禁についても診断が出た。
夜寝ているときに、毎回でなくときどき、少しだけ尿が漏れることがある。
この症状は数年前にもあったが、そのときは漢方薬で改善した。
それがまたぶり返したのだ。
ホルモン反応性尿失禁だろうとのことで、不妊・去勢手術後ホルモンバランスが崩れ尿道が緩んで尿漏れが起こるもので、大型犬種に多い。
ネット検索で症状からおそらくこれだろうと思っていたがその通りだった。
尿道括約筋の機能を改善させる薬を処方してもらうことになったのだが、取り寄せになるので郵送をお願いした。
不妊・去勢手術は、犬猫過剰問題の解決に欠かせない措置である。
たくさんの犬猫が商業生産されているが、流通過程で命を落とし、さらに売れ残って「処分」され、飼育放棄でまた殺される。
商業生産自体の大幅な規制が必要なのは言うまでもないが、それとともに「自家繁殖」やアクシデント的な繁殖も減らす必要がある。
不妊・去勢手術は犬猫自身にもメリットがあり、生殖器の疾患や、発情関連の攻撃行動とストレスを減らすことができる。
人気動物番組アニマルプラネットの "Dr. Jeff Rocky Mountain Vet" の獣医師ジェフ・ヤングは、良心的な料金での高度な獣医療を提供しているが、不妊・去勢手術の実施を治療の条件にしている。
日本でもそういう病院があったらいいのにと思っているが、今のところ聞かない。
PONOPONOは病院ではないが、レッスンの条件に不妊去勢手術の実施を入れている。
不妊・去勢手術は全体的にはメリットの方がずっと多いが、デメリットがないわけではない。
比較的多いのが手術後の肥満である。
だがこれは食事の量を減らせばいいだけなので、デメリットとは言えないとわたしは思っている。
それ以外のそれほど多くない疾患に、ホルモン反応性尿失禁がある。
メス犬の方が多いがオス犬にもあるし、大型犬種のほうが多い。
ただこれも、尿道括約筋の機能改善薬でコントロールできるし、効きがよくなければホルモン療法もある。
それに、寝ているときの不随意尿失禁なので、犬の寝床に防水シーツを敷けばいいだけだ。
うちではずっとそうしている。
わたしのベッドで寝ているときにベッドカバーが濡れることが何度かあったが、急に吐いたりすることもあるので、そういうときのためにカバーをいつもかけている。
床で昼寝しているときの漏れは雑巾でひと拭きだ。
不妊・去勢していない犬がよくかかる乳腺腫瘍や子宮蓄膿症、前立腺がんなどは、治療が遅れて命を落とすことが往々にしてあるので、その深刻さとは比べ物にならない。
詳しくは過去記事「不妊去勢手術は必要?時期は?新研究も紹介」をご覧いただきたい。
ホルモン反応性尿失禁は不妊・去勢のデメリットとして必ず挙げられているが、わたしはデメリットというほどのものではないと思っている。
吸水性がある防水シーツを使えば犬の体が濡れることも少ないし、すぐに取り換えれば清潔を保てるので、犬にとって不快感はほとんどないだろう。
防水シーツは子犬や子猫を迎えたときにも便利なアイテムだ。
うちでは冬はこのボアタイプの防水シーツを使っている。
シャカシャカしないし吸水性もいい。
なお、はっちゃんの尿失禁の原因はホルモンによるものだったが、他にも様々な原因で尿失禁になることがあるので、動物病院でしっかり検査してもらおう。
人間側の対処法としては、犬用おむつの利用が広まっているように感じるが、おむつは蒸れやすくて犬も嫌がりやすい。
おむつではなく、防水シーツを使ってみよう。
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