ドッグウォーカー博士のスローライフ

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犬の行動

レトリーバーが物を持ってくるのは遺伝?犬種特性に関する研究紹介

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雨予報が出ており、はっちゃん(秋田MIX♂9歳)もゆっくり起きてきた。

「散歩どうする?」と聞くと、「どうしようかな~」と迷っている感じだったが、しばらくして「ちょっとひと回りしてくるかな」と出かけた。

はっちゃんが最優先するのはネコ餌ポイントで、最近は漁港もお気に入りだ。

ネコ餌ポイントではこぼれて溝にはまったドライフードを丁寧に舐め取って食べる。

食欲がいまいちな割にこういうのは欠かさない。

熱心に舐めていると、「ニャー」と声をかけられた。

奥を見ると茶トラさんがいる。

たぶん「ちょっと、何してんの」と言っていたのだろう。

何度も鳴いていた。

ごめんねと謝って漁港に向かうと、高速散歩の柴犬さんがいたので、消波ブロックの間を探索してやり過ごした。

ゆっくり歩いたが雨に降られることなく戻ってきてしばし休憩。

 

 

最近、また目が猛烈にかゆくなったと思ったら、このそばの田んぼに除草剤が撒かれていた。

去年も撒かれていたので、そこではっちゃんが休憩したりしないように気を付けていた。

だが、はっちゃんのお気に入り草地まで数十メートルなので風に乗って飛んでくるのだと思う。

暖かくなり出したころから除草剤ポイントには気を付けているが、それでもすでに4~5回やられている。

散歩程度の外出で1日中かゆいのでつらいが、沖縄にいた頃の水疱を伴ったかゆい湿疹よりはマシだ。

今日ははっちゃん、それほど長居せずに帰宅したが、少ししてから雨が降り出したのでやっぱりちゃんと頃合いを見計らっているのだと思う。

今日も楽しかったね。

ところで、純血種の犬には多くの犬種があり、この犬はこういう性質というようなことがよく言われている。

犬種特性というやつだ。

このブログでもこれまでに何度も取り上げてきたが、新研究はどんどんなされている。

これまで書いてきたように、犬種特性を過大評価してはいけないという点は変わらないが、近年行われた大規模な研究についても取り上げているわかりやすい記事を見つけたので、その概要をざっくり紹介したい。

Katherine J. Wu, "Humans Can’t Quit a Basic Myth About Dog Breeds ; Breed doesn’t have that big an effect on a dog’s "

一般的にゴールデンレトリーバーはフレンドリーだとか、ジャーマンシェパードは警戒心が強いガードドッグだなどと言われているが、そうでない犬もいる。

コロラド大学ボルダー校の行動学専門家であるマーク・ベコフ博士は、「犬種に個性があるわけではない。個体差があるのだ」という。

犬の行動のクセは、人間と同様に、遺伝や血統の単なる産物ではなく経験も関与している。

犬の遺伝学と行動学を研究しているコロラド州ロッキービスタ大学のイサイン・サパタ教授は、「犬は人間の創造物であり、人間以前に存在したものではない」と言う。

人間は何千年にもわたって、人間好みのさまざまな機能や外観を持つように犬を作り出してきた。

いわば人間の好みと偏見の産物なのだ。

そうである以上は、一定の特性がが遺伝子に書き込まれているはずだ。

専門家は、犬の行動は、遺伝子、発達、社会化、環境など多くの要因の産物であることに同意しているが、その比率、尺度、それらがどのように混ざり合っているかについては意見が分かれている。しかし、どのレシピにも欠かせないのは、「何が犬を犬たらしめるか」を決定するのは、常に私たちである。犬種が性格に影響を与えることは、フィクションではない。しかし、その影響は犬だけにとどまらず、私たちが考えるほど単純なものでもない。

そもそも、犬種という概念が生まれたのは19世紀のことだ。

イギリスのマンチェスター大学の科学史家で、The Invention of the Modern Dog の著者であるマイケル・ウォーボイズは、ヴィクトリア朝は犬に対する考え方を変えたという。

この時代に近代的な犬種という概念が生まれたのだ。この時代、人々は犬の能力よりも外見を重視するようになった。犬の生殖行動をコントロールすることは、超目的的で超ファッショナブルになった。犬種という概念は、厳しい基準と正式なクラブによって管理される必要があるほど価値あるものになったのだ。そして、血統の純度や肉体的な理想を達成することがゴールポストとなり、犬の進化は急速に変化していった。

それによって犬種内の均質性は高まったが、遺伝子は身体的傾向と行動的傾向とはどのように関連しているだろうか。

これを解明するために、モリルとロードらは行動と遺伝の両方において十分な多様性を示す犬をたくさん集め、大々的な研究を行った。

その結果、犬の行動にはかなり遺伝的な側面があることが確認された。

例えば、ボーダーコリーなどの牧畜犬の多くは、他の犬種に比べ、命令には従順で、好奇心旺盛で、おもちゃ好きとか、レトリーバーは物をくわえて持ってきたがる、などだ。

それと同時に、遺伝的な傾向が見られないこともある。

どの犬にも存在しない、あるいは同じ犬種内のすべての犬に存在する行動特性は一つもなかったのである。

モリルのチームによれば、犬種で説明できるのは、犬という種に見られる驚くべき行動のバリエーションの10%以下だという。

言い換えれば、そのほとんどは他の要因によるものなのだ。

だからといって、犬種に関する情報に価値がないわけではない。

犬種には、体の形状や周囲の環境に対する適応性など、さまざまな情報が含まれているのだ。

サンパウロ大学のフラビオ・アイロサは、犬の体高、体重、鼻の大きさに加え、遺伝子や社会化などの要因が犬の気質にどのような影響を与えるかを研究している。

小型犬は大型犬とは異なる世界を体験し、長い鼻は短い鼻とは異なる仕方で視界を分ける。

「これらの形態学的要因は、動物が環境とどのように相互作用するかに影響を与えるのです」と彼は言う。

また、犬種の情報は、その犬が幸せで健康でいるために何が必要で、何が物理的に可能であるかを予想するのに役立つ。

犬は柔軟だが無制限ではない。

「チワワをグレイハウンドと競争させたり、チワワをソリ犬にすることはできない」と遺伝学者であるカルロス・アルバレスは言う。

犬種がどのように行動するかというのは、私たちが犬種に対してどのように行動するかを反映している。

犬種を追い求める人は、自分の期待を犬に投影する傾向があるからだ。

またピットブルのように品種に基づいて判断されて安楽死されるという不幸な事態が起こる。

犬は人間同様、個性的な動物なので、人間と同じように、犬もまた出自に逆らうこともできる。

サンパウロ大学のアローザ教授によると、犬は人間と同じように、受胎から死亡まで「常に変化し続けるシステムであり、常に発展途上である」という。

以上をまとめると、犬種特性は無視すべきではないが、それによって性格が決定されるというようなものではないので、その犬の個性をしっかり見極めていく必要があるということになるだろう。

 

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