ドッグウォーカー博士のスローライフ

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おやつちょうだいは食べ物が引き起こしている!?

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朝、やたら眠かった。

雨の日の定番だが、今日は雨予報が出ていない。

だが起きてみると地面が濡れており、小雨が降っていた。

なのにはっちゃん(秋田MIX♂9歳)は、「そろそろ散歩に行こうか」と誘いに来る。

「雨じゃないの?」と言いながら庭に出てみると、雨雲は出ていたが止んでいた。

はっちゃんが言うなら雨に降られることはないと思って出かけたらその通り!

わたしたちの帰宅を待つようにしてまた雨が降り出した。

 

素早くおしっこを済ませるはっちゃん。

 

はっちゃん予報はいつも正確なので、ときどき外れる人間の天気予報をチェックする必要がない。

こういう日は野生動物の痕跡をよく発見するが、今日もそうだった。

家の周りでは溝にたまった土が掘り返され、派手に散らばっていた。

海辺の車道を歩いているとき、はっちゃんがグレーチングに身を乗り出してのぞき込んでいるので何だろうと思ったら、突然「ガルルルッ」と声が聞こえてきて、思わず変な声を上げてしまった。

はっちゃんはすでに匂いから相手の正体を突き止めていたので、落ち着いたものだった。

「なに驚いてるの?」という顔で見られた(と思う)。

わたしも鼻が利く方だが犬には遠く及ばないので、いつもうらやましく思う。

ところで、わたしは英語の健康関連サイトやセミナーをよく見ているのだが、最近「フードアディクション」(食べ物依存症)について聞くことが多くなってきたと感じる。

先日、犬の肥満について記事を書いたが、それとも関係するので取り上げてみたい。

依存症というとアルコールやニコチン、コカインなどを想像するかもしれない。

だが、人や動物を対象とした実験によれば、こうした薬物によって活性化される脳の報酬・快楽中枢が、嗜好性の高い食べ物によっても同じように活性化されることがわかっている。

「嗜好性の高い食べ物」というのは、塩、砂糖、脂肪をたくさん含む食品を意味する。

近年、人間の間ではこういう食品がどんどん生産され、マスメディアを使って大宣伝され、どんどん消費されてきた。

それとともに肥満が増え、慢性疾患(いわゆる「生活習慣病」)が増えている。

わたしたちがどんどん食べたくなるような食品は、塩、砂糖、脂肪をたくさん含んでいて依存性があるのだ。

わたしの幼少期の人気商品「かっぱえびせん」は、「やめられない、とまらない」のコピーCM(1969年)で大ヒットしたが、こういうスナック菓子は食べ始めるとやめられなくなる。

スナック菓子には塩、砂糖、脂肪たっぷり含まれており、嗜好性が高い食品の典型だ。

嗜好性の高い食品は、薬物と同様、ドーパミンなどの快感物質を誘発する。

この快感は空腹に優先するため、空腹でなくても食べ続けることになる。

「やめられない、とまらない」は、薬物と同様に意志の力では止められないということだ。

このことが、人と動物による実験で確認されているという点が重要で、人間だけでなく動物も同じようになるのである(正確には人間への影響を解明するために動物が利用されたのだが)。

わたしの観察範囲では、犬もまさにこれだと思う。

塩、砂糖、脂肪たっぷりの市販犬おやつは、「もっとちょうだい!」になりやすい。

皆さんもそう感じないだろうか?

わたしは健康オタクなので、「嗜好性の高い食品」は自分自身も長らく食べていないし、犬猫たちにもあげてこなかった。

だが近所の犬好きさん(高齢者が多い)が、わざわざ近所の犬にあげるためにジャーキーなどの犬おやつを買って、待ち伏せしていることがしばしばあった。

今の家ではまだないが、ちょっとあやしい動きがあって警戒している。

引っ越し先には必ずそういう人がいるのだ。

そして犬たちは、そういう市販おやつをもらうと目の色を変えて「もっとちょうだい!」とおねだりしたり、散歩のたびにそこに行こうとしたりするのである。

もし自分が家でそういうおやつをあげていたら、エンドレスおねだりが始まりかねない感じだ。

他方で、犬たちが自分で見つける木の実や、自然物の中では嗜好性が高い部類の動物の糞や骨なども、ここまで犬を夢中にさせることはない。

適度に食べておしまいにするし、執着もしない。

そのことがあるのでわたしはいつも、犬おやつは市販の加工食品ではなく果物やイモなどをあげるようにと言っているのである。

もちろん人間の健康のためにも、塩、砂糖、脂肪は要注意だ。

植物にもともと含まれているナトリウムや果糖、脂肪は、抽出せずに未加工の状態で摂取すれば、依存や慢性疾患リスクを大幅に減らすことができるのである(エビデンスあり)。

なのでわたしは精製塩、精製糖、精製油の摂取をここ2年ほどゼロにしているが、血液検査の結果は良好で体調もかなり良くなった。

話がそれたが、犬がおやつをもっともっとと欲しがると「わがまま」呼ばわりされがちだが、そうではなくてその食べ物自体に依存性があるのかもしれないということを知っていただきたい。

そして依存の背景には、ドーパミン誘発物質の摂取だけでなく、精神的な問題(ストレスやトラウマなど)もあるということにも注意したい(これについては以前から指摘している)。

食べ物は健康管理に重要な位置を占めるだけでなく、生活の質にもかかわってくるので、もっと関心を払ったらいいのではないかと思う。

 

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