ドッグウォーカー博士のスローライフ

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コミュニケーション ボディランゲージ

カーミングシグナルが通じないのはなぜ?

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とても天気が良かったので、「早く散歩に行こうよ!」と呼びに来たはっちゃん(あきたMIX♂9歳)。

そうだね、といつもより早く散歩に出かけた。

日差しがポカポカで気持ちがいい。

こういう日はいつも以上にリラックスして道草を楽しめる。

 

帰宅後、庭で歯磨きガムのウィムズィーズをゆっくり齧る。

 

明日は大型ごみの日だったので、昼前にゴミ出しに行った。

すると、今まであったことがない白い中型の日本犬さんが散歩していた。

わたしは距離を取るため道の端っこに寄って、歩く速度をゆっくりにして、目をそらしながら、顔を背けた。

これらはすべて相手の犬に対して「敵意がありませんよ」ということを伝えるカーミングシグナルだ。

*カーミングシグナルについては、この過去記事で詳しく書いているので参考にしていただきたい。 →http://blog.livedoor.jp/nanakailua/archives/50675095.html

だが白犬さんは、友好的なシグナルを返すことなくぐいぐい向かってきた。

リードを持っていた姉さんはそれに引きずられる格好で、1メートルぐらいのところまで接近したところですれ違った。

先日ジョギング中に会った黒ラブさんもこれと同じだったが、このようなすれ違いをしてしまっている方がけっこういるのではないかと思う。

この犬たちがこちらの出すシグナルに反応しなかったことには、次のような理由が考えられる。

まず第1に、ともに引っ張り散歩になっていたので興奮しすぎていたこと。

次に、他の人(もしくは犬)に対して、礼儀正しくシグナルを出しながらすれ違うという犬の世界のマナーを身に付けていないもしくは忘れていること。

そして第3に、人や犬を見たら突進するという行動が定着していること。

この3つが関係していると思われる。

その行動を繰り返せば繰り返すほど定着していくので、すでにそうなってしまった行動を消去するには、繰り返させないことが最も重要だ。

そのためには、犬が反応しない距離(=ここでは犬がグイグイ近づいて来ないだけの距離)を確保するように、刺激を回避することが必要になる。

黒ラブさんも白犬さんも、道の端までわたしが避けても反応していたので、それでは距離が足りないということだ。

だったら、相手の姿が見えた時点でわき道に避け、すれ違わないようにすればいい。

これがいつも強調している「回避」だ。

*なお、出会い頭などで間に合わなかったときには、相手に近づけないようにしっかりリードを固定してやり過ごそう。

そういえばはっちゃんは散歩中に、テンション高めで歩いて来た小型犬さんを見ると、さっと路地に入って回避していた。

最初からこのようにうまくいくわけではなく、「あっちにいかない?」という提案を続けているうちに、次第に自分にとって快適な選択をするようになっていく。

これは犬や人などを見たら興奮、突進という回路が薄れていき、落ち着いて行動できるようになっていく過程でもある。

そしてこれができるようになってくると、自分から相手にカーミングシグナルを出したり、また相手のカーミングシグナルに反応したりするようになっていくのだ。

言ってみれば、カーミングシグナルを使って対立を回避しながら友好的に交流するという、犬自身が持っている固有の行動パターンに沿った行動ができるようになっていくということである。

カーミングシグナルは人間を含む他の動物にも通じるので、これを身に付けることが決定的に重要である。

近年、犬を他犬と仲良くさせなければいけない、そのためには社会化が大事だ、それを学ばせるためには犬の幼稚園に入れようと考える人が増えてきた。

犬関連ビジネスの宣伝のたまものだろう。

だが、路上で生活している犬たちはそんなところに行かなくても他犬と非常に上手に交流している。

なぜかというと、すでにシグナル上手な親犬や年長犬たちから学ぶからである。

そういえばはっちゃんもパピーのころ、マル兄やボニおばさんからシグナルを始め様々なことを教えてもらっていた。

ところが一般的に犬の幼稚園では、パピー同士を激しく遊ばせているところがほとんどではないだろうか。

シグナル上手な年長犬が1対1で教えてくれるところなどまずない(わたしはずっと以前にやっていたが)。

これは人間で言ったら、保育士のいない子どもだけの保育園と同じだ。

そこでは、犬社会で通じるマナー(シグナルを使った平和的なコミュニケーション)を学ぶ代わりに、弱い犬を追い回していじめたり、乱暴なプロレスごっこをしたりなどを学習してしまう。

悪くすると怪我をしたり、他犬への恐怖心を持ってしまったり、最悪トラウマになったりということもしばしば起こっている。

これは幼稚園でなくても、公園やドッグランなどでの犬の集まりでも同じだ。

なので他犬と上手に交流する=コミュニケーション手段としてのカーミングシグナルを身に付けるためには、そういう場を避けるとともに、落ち着いていてシグナル上手な犬と交流するのが一番だ。

ところが現実問題としてそういう犬はなかなか近所にいない。

でもここであきらめる必要はない。

最初に述べたような回避を徹底することで乱暴な行いが薄れ、カーミングシグナルを取り戻していく。

犬に積極的にカーミングシグナルを出すことも、この過程をサポートすることにつながる。

犬は人からもシグナルを学ぶことができるからである。

ルルさん(ヨーキー♀2017年没)はこのケースで、後半生には驚くほどシグナル上手になった。

なお、犬が行っているカーミングシグナルを通じた平和で友好的なコミュニケーションというのは、それを知らない人の目から見ると相手のことをスルーしているようにしか見えないことが多い。

人間が見て犬が楽しく遊んでいるシーンは、実際には乱暴すぎたり弱い者いじめが起こっていたりすることが往々にしてある。

このこともよく理解しておこう。

 

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