ドッグウォーカー博士のスローライフ

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それ、最も多い噛みつきの原因です

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日差しがあったので日陰以外ではかなり快適だった。

はっちゃん(秋田MIX♂9歳)ものんびりブラブラを楽しみ、自然観察にも余念がなかった。

 

 

家に向かう道の途中でゆっくりと休憩。

 

寒くてもゆっくり休むので、ポカポカ陽気だとさらにそれが長くなる。

わたしも陽光を浴びながら気持ちよくのんびりした。

はっちゃんとの散歩はとくに最高のリラクゼーションだ。

ウォーキングしているご近所さんに会ったところで、はっちゃんは草むらに落ちていた食べ物の包みを見つけた。

パリッとした硬めのビニール袋で、はっちゃんはじっくり匂いを嗅いだのち口に入れてガジガジしては出ししている。

わたしが「今日はそんなに寒くありませんね」などと言葉を交わしている間に、ビニールはクタクタになっていく。

このまま飲み込むかなと思いながら横目で見ていると、ペッと吐き出して歩き出した。

やっぱり食べなかったか。

いつも書いているように、散歩中に犬が何かを舐めたりくわえたりしても、慌てて取り上げようとしてはいけない。

慌てると取られまいとして飲み込んでしまうからだ。

病院に行くような拾い食い事故はこうした人間の態度が招いていることが非常に多い。

予防のためには、基本のリードワークでゆっくり歩くことが一番大事で、その次に補助的に危険物を先に見つけて回避することが来る。

これだけで危険な拾い食いはほぼ防げるので、ぜひとも実践していただきたい。

また犬がくわえている物、あるいは舐めている物を取り上げようとする行為は、噛みつきの原因を作り出しているようなものだ。

犬もその他の動物も、くわえていたり手に持っていたりするものはその動物に属するというのが基本的なルールである。

他者が勝手に取り上げようとすれば反発を招くのは当然だ。

人間社会では所有権という概念を作り出すことでルールを明確化しているが、それと同様に犬がくわえている物は犬のものなのである。

ルールを破れば攻撃にあうのは当然だ。

人間が勝手に取り上げようとしてはいけないのである。

食べたら命に係わるというような場合にはやむを得ないかもしれないが、そんな事態に陥らないように努めるのが人間の義務だ。

人間はその他の場面でもやたら犬のものを取り上げようとする。

わたしのカウンセリング経験では、散歩中よりも室内での「取り上げ」の方が、より噛みつきの原因を作り出しているような印象だ。

とくに人間のものを犬がくわえた時や、食事中や食後のお皿(これはそもそも犬のものである)を取ろうとして抵抗にあう。

そこで素直に犬の言うことを聞き、反省して以後態度を改めていれば噛みつきには発展しない。

だが、犬の言うことを聞くとバカにされるとか犬がボスになったら大変だなどの妄想にとらわれて、犬を叱りつけて強引に取り戻そうとしたら、犬は唸って「やめて」と言うだろう。

ここで負けてはいけないと同じ態度を取り続けていると、唸りから空噛み、軽い噛み、強い噛みへと犬の行動変化が起こる。

また、取られそうな状況を察知したら予防的に噛み付いてくるようになる。

これが餌皿のそばを通っただけで噛みつきに来るという事態の背後にあることだ。

わたしは犬が食べているときにはそばに近づかないし、じろじろ見たりもしない。

食べ終わってもまた餌皿を舐めて楽しむことがあるのでそのままにしている。

もし仮にわたしが食事中に近づいたり餌皿に手を突っ込んだりしても、うちの犬たちは何もしないだろうが、そもそもそういう無礼な行いはすべきでない。

もちろん、犬がくわえている物は取り上げない。

マルちゃん(大型犬MIX♂9歳)は狩りの達人だったので、わたしは気の毒な被害者を救出しようといつも試みていたが、口から離した隙に逃がすのは難易度が高く、また被害者は即死のことが多いのでほぼ毎回失敗だった。

もし仮に強引に取り上げようとしても、マルちゃんは絶対に渡さなかっただろうと思う。

そういうときはっちゃんは遠巻きにしていて、うっかりそばに近づこうとすると激しく唸られていた。

犬ルールは厳しいものなのである。

トレーニング界では、「アウト」や「離せ」などのコマンドでくわえたものを離すように教えようとするが、わたしは人間の越権行為であると思っている。

自分にとって大事なものは、たとえ相手が家族であっても渡したくはない。

たとえご褒美と引き換えであっても、とても貴重な物だったら嫌だ。

犬の意思を尊重しながら対立を回避するには、犬がおもちゃにして困るものを出しっぱなしにしないこと、自分の不注意で取られたら潔く諦めることだ。

また、ふいに遭遇する危険物を食べたりくわえたりしないためには、犬が自分で判断できるように常に落ち着いた状態をキープすることが重要になる。

いつも走り回っている犬、ストレスいっぱいで落ち着きがなくなっている犬は、判断力も低下している。

犬をそういう状態にしないために、環境と接し方の改善によるストレスマネジメントに努めたい。

犬に腹を立てたり、あれこれ教え込んだりしようとする前に、自分の行動を改めることがまずもって必要だ。

 

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