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怪しげな天気だったが、雨は降っていなかったので元気に散歩に出たはっちゃん(秋田MIX♂9歳)。
昨日と同じくまずはサラダバーで文字通り道草を食う。
そして普段通り、道路沿いのネコ餌ポイントを目指した。
今日もネコさんいないねと思っていると、餌やりさんの家のわきに子ネコさんがいた。
以前に行き倒れていてレスキューに戻ったらいなくなっていた子だ。
風邪がすっかり治って体もちょっと大きくなっていた。
顔と行動に特徴があるので間違いない。
道路端に置いてある洗濯機のそばで、食べ残しのカリカリの前に座っていた。
怖がらせないように安全距離を取って、そこからはっちゃんが観察している間にわたしも見ていると、猫さんが何度もまばたき挨拶してくれた。
何度も会っていて、わたしたちが危害を加えないことがわかっているからではないかと思う。
ちょっとうれしかった。
ところで、しつけ情報サイトなどではよく、「犬が嫌がってもやめてはいけない、何故なら嫌がったらやめてくれると学習するからだ」というようなことがいまだによく書かれている。
これは本当に危険な考えだ。
たとえばドライヤーをかけたいが犬が嫌がるという場合、やめずにかけ続けるためには犬を押さえつけて逃げないようにする必要がある。
このように逃げ場がない状況で嫌なことをされ続けた場合、最初は抵抗するがそのうちに押さえつけなくても逃げようとしなくなってくる。
マーティン・セリグマンはこのことを、1960年代に犬に電気ショックを与える実験(非人道的すぎる)で立証し、「学習性無気力」と名付けた。
回避困難なストレスを与えられ続けると、逃げられないということを学習してその環境から逃げる努力を放棄するようになるということである。
本来生き物は、迫りくる脅威を察知すると闘争逃走反応が起こって、闘うか逃げるかする。
だがここではそれが機能しなくなっているのである。
のちの研究でこうしたストレスがトラウマとなりうることがわかった。
さらに最近の研究では、トラウマは心に生じるのではなく体に生じるということが言われている。
先のドライヤーの例に戻ると、押さえつけて抵抗しなくなった犬は、人間から見れば「言うことを聞くようになった」と見えるだろう。
だが、実際には学習性無気力に陥ってトラウマを負っているのではないだろうか。
自分自身の経験から言っても、トラウマからの回復は長く困難な道のりであり完治することはない。
わたしはPONOPONOで過去に悲惨な体験をした犬たちを多数見たり保護したりしてきたが、トラウマの影響は軽くはなってもずっと残り続けるのである。
逃げ場がない状況において嫌がることをするというのは、そういうリスクがある行為なのである。
そんなやり方をしなくても、嫌がったらというより嫌がる前にやめる、嫌がらないやり方を工夫するという方式で、たいていのことはなんとかなる(その前にストレスマネジメントを徹底することが大事)。
有無を言わさないやり方で犬につらい思いをさせることのないようにしたいものだ。
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