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部屋に差し込む朝日を浴びてすっかり散歩モードのはっちゃん(秋田MIX♂9歳)。
絶好の散歩日和だったので、ポイントチェックの後、人里離れた太陽光パネルが広がっているエリアの冒険に出かけた
地元の人はまず入らない低山のふもとで、シカの声がよく聞こえてくる。
草を踏みしめながら進んでいくと、昨日の雨による水たまりとぬかるみが広がってきた。
ふたりとも足を泥だらけにしながら散策していると、はっちゃんがおやつを見つけた。
「シカチョコボール発見!ゆっくり寝そべって食べるよ」
ふたりとも足が泥んこに。
草食動物の糞はおいしいらしく、沖縄ではヤギ糞をよく食べていたがそれ以来だ。
少な目1回分ほどしかなかったので残さず食べ、満足して家に向かった。
「冒険して疲れたからちょっと休んでいく」。
「暑くなってきたね~」、
9時ごろにはもう十分暑くなっていたので、帰宅後は冷たい床に直行。
すごく楽しんだね。
わたしはそのあと、町までジョギングしてきたのだが、泥んこだったはっちゃんの足はすっかりきれいになっていた。
わたしが履いていたトレイルラン用シューズは、日に干した後にブラシで泥を落としたがあまりきれいにならず。
犬の毛は素晴らしく高機能でいつも感心する。
最近は散歩時間の関係で、ずんずん向かってくるお父さんと興奮柴犬さんのペアとの遭遇率が上がってきた。
この人は回避してくれないので、早く見つけてわき道に入るしかない。
はっちゃんも心得たもので、遠くに見えると自分で違う道を選ぶ。
遠くからでも避けるべき犬とそうでない犬を見分けているのがすごい。
はっちゃんはパピーの頃は順調に社会化していたのだが、預かり宅から里子に行ったのち虐待にあって再保護してからは、様々な刺激に過剰反応するようになっていた。
とくに散歩中にほかの犬を見たときの反応性(過剰反応)がひどくなっていた。
反応性というのは、英語の reactivity (リアクティビティ)を指す。
長い間、犬の過剰反応は「攻撃性」という言葉で語られてきたが、刺激に過剰反応することと相手を攻撃しようとする行動は異なり、前者の問題を抱えている犬が多いことから、リアクティビティという言葉で説明することが多くなってきた。
最近と言ってもわたしが10年ほど前にイギリスで研修を受けたときには、すでにリアクティブやリアクティビティを使っていたので、それがどんどん浸透していったということろだろう。
具体的には、トリガーとなる刺激が出現したときに、吠える、突進する、暴れる、白目を出す、歯を見せる、追いかけるといった行動をすることを指す。
旧ブログ開設最初期から書いているように、刺激へのこうした過剰反応は慢性・急性ストレス時によくあらわれる行動だ。
その直接的な原因は、恐怖や不安とならんで興奮が関係していることがほとんどである。
再保護直後のはっちゃんはやたら過剰反応していたが、とくに犬に対する反応がひどかった。
前にいた家でストレスMAXな状態にあるときに、この反応性が定着していったのだと思う。
犬が反応のトリガーになっていたので、最初の数年はトリガーを回避することに専念した。
それから徐々に、反応せずにいられる距離をはっちゃん自身が確保できるようになっていったので、いまはリアクティブな行動はほぼなくなった。
反応性を改善するには、全般的なストレスマネジメントとともに、トリガーからの距離を確保して(=回避)反応せずにいられる状態をキープすることがポイントだ。
イギリスでの講習のときに、リアクティブなジャーマンシェパードの散歩で、他犬の姿が完全に見えない距離(200メートル程度)を確保していたのがとても印象的だった。
それぐらい徹底することが重要なのだ。
反応性は、何の対策もせずにいて改善することはない。
「年を取ったらやらなくなる」というようなことはないのである。
ずっと以前に実家そばの多摩川河川敷でレッスンしていたころ、よく吠えたり突進したりしている大きなチョコラブ♂さんがいた。
元気いっぱいだがすでに10歳を超えており、家族の人は「年をとったらよくなるって聞いたんですけどねぇ・・」とあきらめたように言っていた。
そういう例はたくさんあるし、リアクティビティと年齢は関係ないというのはもはや定説といえる。
ただし、脚が弱って歩けなくなり突進できなくなったなどというのは除く。
ささいな刺激に反応して吠えたり突進したりする犬は、そうしたくてやっているのではない。
トリガーに遭遇することにより興奮してストレスがかかるので、とてもつらい思いをしている。
まずは犬が苦しんでいるということを理解して、叱るのではなく共感してあげたい。
その上で前述した対処を行おう。
楽しく穏やかに散歩することができると、一日ハッピーな気分でいられる。
犬も人も同じだ。
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