ドッグウォーカー博士のスローライフ

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苦手克服におやつはいらない

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散歩に出たとたんに、家の前の狭い道でデイサービスの送迎車と次々にすれ違うという災難に見舞われたはっちゃん(秋田MIX♂9歳)。

車がやっと1台通れる程度の道幅なので、うっかり遭遇してしまうとけっこう怖い。

嫌だったねぇと言いながら歩いていると、シーズーさんがお散歩に出てきた。

おそらく高齢でおとなしい子だが、すぐそばをすれ違うよりも別の道に行ったほうがいいだろうとわたしは考えた。

だがはっちゃんは「大丈夫、このまま行くよ」と言う。

はっちゃんについて行くと、顔を背けて目を合わせないようにしながら(カーミングシグナル)、ゆっくりゆっくり(カーミングシグナル)すれ違った。

確実にシグナル上手になっていく。

 

「え、そんなの楽勝だよ」。

 

苦手な刺激があると人間は「慣らそう」として、どんどんその刺激にさらそうとしがちだ。

実際ドッグトレーニングでは、嫌な刺激に遭遇したすぐ後におやつを出せばいい関連付けができるという考え方(いわゆる陽性強化法)が主流になっている感がある。

この方法は確かに効果がありそうに思えるし、嫌な刺激が本人にとってそれほど大きくない場合にはうまくいくだろう。

だがその一方で、刺激が大きすぎると食べ物どころではなく、直ちにパニックになって終わる。

それどころか、トラウマになってしまうこともある。

また、慣れるまでと思って毎回おやつを出していると、その刺激に遭遇するや「おやつちょうだい」という依存状態になりやすい。

実際、食べている間は大丈夫だが食べ終わるやいなや吠え始め、その状態がいつまでも変わらないというご相談をしばしばいただく。

食べものは一時的に気をそらすにはいいが、あくまでも一時しのぎにすぎず、その上興奮させやすく依存になりやすい。

最も大事な原則は、対処できないほどの刺激にさらさないということである。

対処可能な刺激であればおやつで気をそらす必要はなく、パニックになったりトラウマになったりすることもない。

犬はオフリードで自由に歩ける状態であれば、そのように行動している。

もちろん全く予期しない災難に遭遇するのを完全に避けることはできないが、日常的に起こることに対しては自分でうまくコントロールできるだろう。

ストリート犬は車や他犬や人間がたくさんいる中で上手に歩いているのはそのためだ。

だがオンリードが義務付けられている場所で暮らす犬たちは、行動が大きく制限されているので刺激回避ができない状態に置かれている。

言い換えれば、人間によって対処できないほどの刺激にさらされているリスクを負わされているのだ。

だから一緒に散歩するわたしたちは、長いリードを使って(常に伸ばしっぱなしではなく)犬の自由裁量の範囲を拡大して、自分で刺激から回避できる余地を残しておくことが必要になるのである。

それとともに、対処できない刺激にさらさないように、回避を提案するよう努めたい。

避けてばかりいるといつまでも鳴れないと思っている方がいるが、むしろ逆である。

犬が反応しない距離を取るということは、反応しない距離から見たり眺めたり感じたりするということを意味している。

それにより、苦手な刺激が存在しても恐怖や不安を感じずにいられる、対処できるという自信ができてくるのである。

その結果パニックが減り、対処できる範囲が拡大していくという次第だ。

マルちゃん(大型犬MIX♂享年13歳)は人間の男性とオス犬、はっちゃんは犬全般が苦手対象だったが、ふたりともこの変化の過程をたどって苦手を克服していった。

PONOPONO犬育て実践者さんたちの多くも同様のことを証言している。

もちろんどんなに強い刺激でも全く平気になるとは限らないが、パニックにならずに自分で対処できる範囲が拡大することは確かだ。

人間中心のやり方で気をそらしたりいい関連付けをしようとしたりするよりも、犬が自分で対処したり自信を付けたりできるように犬の犬の意思を尊重しながらサポートしたほうがいい結果を得ることができるというのがわたしの実感だ。

この方法で大切なのは、犬が対処不可能な状態に陥りかけていることにいち早く気付くことである。

オンリードでは犬が自分で回避するというのが対処可能な状態であり、吠える、突進する、噛みつこうとするなどは対処不可能な状態である。

そうなる前に気付いて回避を提案しよう。

すぐに過剰反応する回路が脳内にできてしまっているということが往々にしてあるが、その場合もなるべく早めに毎回提案していると、だんだん応じてくれるようになっていく。

年単位の時間がかかることもよくあるが、諦めずに早めの提案を続けよう。

 

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