ドッグウォーカー博士のスローライフ

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ごはんを食べないのはわがままのせいじゃない

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夜中に遠くの方でうっすら雷が鳴っていたので、はっちゃん(秋田MIX♂9歳)はわたしのベッドで腕枕で寝た。

朝も大気が不安定な状態でこれでは散歩は無理かと思ったが、いつもより1時間遅れで散歩に行くという。

はっちゃんはちょっと不安らしく、道草も食わずにネコさんポイントへの最短コースをスタスタと歩いた。

近道も遠回りもよく知っていて、気分に合わせて選んでいていつも感心する。

漁村には元気な茶白子猫さんがいたが、チラッと見た程度で先を急いでいた。

かすかに雷鳴が聞こえていてあまりリラックスできなそうなので、「もう帰ろうか」と提案すると、「じゃあちょっといつもと違う道から帰るよ」という。

そこでついていくと、野菜の無人販売ブースがあってスイカを売っていた。

帰宅してはっちゃんがすっかり落ち着いてから買いに来てみると、かなり高齢の男性が店番をしていて一緒に野菜も分けてくれた。

はっちゃんとスイカを食べてみたら、けっこうおいしかったのでまた買いに行ってみよう。

 

「雷いなくなったかな…」

 

蒸し暑い日が続いているが、夏場は人も犬も食欲が落ちやすい。

ただ食欲低下以外いつもどおりで元気にしている場合はとくに心配はいらない。

消化能力が弱っているようなら、無理にいつも通り食べさせようとしなくてもいいと思う。

それとは別に、季節関係なく普段から食が細かったり、食べたり食べなかったりなどの食べムラがあるという場合、「またわがまま言ってる」と決めつけがちだ。

だが、食べ物の好みは人間でもそれぞれで、毎日嫌いなものが出てきたら食欲はなくなる。

わたしは入院中の食事をときどき思い出しては寒くなっている。

療法食は犬猫には不人気な傾向があるし(好きな犬猫もいる)、強いにおいがしない自然派フードも嫌われることがある。

嫌いと言われたらお好みのものに変えてあげよう。

それでもなお、食べたり食べなかったりするという話を聞くことがあるが、病気などがないという前提でいうと、日常的に高ストレス状態にあるケースがほとんどだ。

留守番が多い、頻繁に出かけるなど刺激が多すぎる、住環境や家族の接し方に問題がある、トレーニングなどで抑圧されている、散歩の環境が良くない、などが考えられる。

ストレスの原因を可能な限り取り去って、ゆったりのんびり自由に暮らせるように改善して行くと、いつの間にか食欲が安定していつでもおいしそうにご飯を食べるようになっていく。

うちは保護犬や預かり犬たちも含めて、みんなどんなご飯でも喜んで食べてくれたが、好みというのはそれぞれあった。

はっちゃんはキュウリは食べるけどそれほど好きではなく、トマトもまぁまぁで、小松菜はいまいちだそうだ。

マルちゃんはどれも大好きだった。

犬のわがままのせいにする前に、人間がすべきことはたくさんある。

犬は今の環境に精いっぱい適応しようと努力しているので、それを見てあげたいものだ。

 

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