ドッグウォーカー博士のスローライフ

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吠え 問題行動

ピンポン吠えや宅配吠え、どう対処したらいい?

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明け方にはっちゃん(秋田MIX♂9歳)がわたしのベッドに移ってきた。

その10秒後ぐらいから雷が鳴り始めた。

いつも稲妻が光る前に避難してくるので、なにか感じているのだろう。

怖がってハァハァするので、寝ぼけながらゆっくり撫でては眠りに落ち、また目覚めては撫でるというのを繰り返していると、いつの間にかわたしの腕の中に移動していたはっちゃん。

腕枕ポジションになると落ち着いて眠り始めるので、これが安心するのだろう。

夜が明けて起きてみると曇ってはいたが雨は上がっており、はっちゃんも元気を取り戻していた。

怖かったので散歩は無理かと思っていたが大丈夫で、「さあ行くよ!」と誘いに来たので安心した。

たっぷり草を食べたのち向かったのはいつもの猫餌ポイントで、前をブラブラしているとどこかから「ニャーン」と呼ばれた。

見ると茶トラさんがいた。

 

「おはよう」と挨拶すると「ニャーン」と返事をしてくれる。

だがはっちゃんは匂い嗅ぎに忙しかったので離れていった。

振り返ってみると、あら。

 

 

わたしたちは、少しずつお馴染みさんになっていっているようだ。

 

涼しい路地でちょっと休憩。

 

状況による違い

さて今日は、よく相談を受けるドアチャイムへの吠え、いわゆるピンポン吠えや、宅配などの訪問者が来た時の吠えへの対処を書いてみたい。

散歩の後、このテーマにしようと思って山歩きに出かけて帰っていると、郵便屋配達のバイクとすれ違った。

うちから200メートルぐらいの地点まで戻ったときに、はっちゃんの吠える声がうっすら聞こえた。

ちょうど3回、「わん、わん、わん」と吠えて終わった。

わたしは留守にしているので、わたしに教えようとして吠えているのではない。

はっちゃん自身が警戒して吠えているので、いわゆる「警戒吠え」だ。

郵便受けは塀の外にあってはっちゃんは部屋の中にいるが、郵便屋さんが郵便受けに何か入れるために近づくとこんな風に吠える。

遠くを通ったときには吠えないか、吠えても一声程度だ。

訪問者がうちの前に車を停めた時にはもう少し吠えるが、わたしが出ていくと吠え止む。

こんな風に一口に「警戒吠え」と言っても、相手と状況によって吠え方が違う。

ドアチャイムへの吠えについてもいろいろで、警戒吠えであることもあるが、興奮して吠えていることもかなりある。

それによって対処も若干違ってくるので、見分け方を知っておくことが必要だ。

吠えの見分け方

スタンレーコレンは、"What Are Dogs Trying to Say When They Bark?"(Posted March 15, 2011)の中で、警戒吠えの特徴をこのように書いている。

「2~4回の吠え声を間を空けて素早く連発するのは、最も一般的な吠え方で、『群れを呼べ。何かが起こっているから確認しろ』という意味の警報吠えである」。

まさに今朝のはっちゃんの吠え方だ。

警戒度が上がると声のトーンがもっと低くなり、長い唸り声が入るようになる。

訪問者が友好的だとわかると警戒吠えから挨拶吠えになるが、そのときの吠え声は「高音または中音域の鋭い短い吠え声を1回または2回」だとコレンは言う。

はっちゃんは興奮するので2回以上は吠えるが、だいたいこんな感じといっていいだろう。

興奮吠えは高音で速いピッチで何度も繰り返されるのが特徴で、これはかなりわかりやすい。

この時犬は、ぴょんぴょんと上下に飛び跳ねたり、くるくる回ったり、尻尾を素早く振ったりしている。

ドアチャイムへの吠えは、この興奮吠えが多いという印象だ。

警戒吠えへの対処法

郵便配達や宅配などに警戒して吠えているときに、どのように対処すべきだろうか。

まず、警戒吠えは犬の習性であり、ごく普通のあたり前の行動であるということをよく理解しておきたい。

相手がいなくなったらすぐに吠え止むというのも特徴なので、近所迷惑にもまずならない。

逆に言えば、すぐ吠え止むような警戒吠えについては、それほど気にすることはないということだ。

苦情が来る吠えは長い時間吠えているとか頻繁に吠えているケースであり、これはストレスが大きく関係していることがほとんどなので、ストレスマネジメントに取り組もう。

ただし、警戒吠えの場合でも犬を安心させてあげることはできるので、それはやったほうがいいだろう。

どうするかというと、T.ルーガスが Barking の中で書いているように、「わたしが対処するから大丈夫だよ」ということを犬に示すのである。

ルーガスがすすめるやり方は次の通りだ。

1.まずゆっくりとドアのところに行く。

2.ドアと犬との間に立ちはだかって、犬に背を向けて気をつけの姿勢をとり、利き手の手のひらを後ろにいる犬の方向に向ける。これが「わたしが対処してるから大丈夫」の合図だ。

3.犬が落ち着いたらそっとドアを開ける。(Barking, p.42)

ポイントはドアと犬の間に立って犬に背を向けるという点だ。

これは間に割って入るというのと背を向けるという2つのカーミングシグナルを使っていて、犬の気持ちを静めるのに効果がある。

手のひらを向けるのは落ち着いてほしい時に人間がよくやるしぐさなので、犬に通じやすいだろう。

窓の外に向かって吠えているときは、窓を開けてチェックする姿を犬に見てもらい、「誰もいなかったよ」とか「郵便屋さんだったよ」などと説明していると次第に反応が減っていく。

PONOPONO実践者さんも総証言する人が非常に多い。

なお、吠えたときには静かな声で「知らせてくれてありがとうね」と言うのもおすすめだ。

ピンポン吠えへの対処

次にピンポン吠えへの対処だが、警戒している場合は上の対応でいい。

興奮が強い場合はドアチャイムの音とその後の人間のバタバタした動きに反応していることが多いので、音と動きへの対処が必要になる。

音については音量を下げられる場合は下げるのもいいが、それよりはチャイムの電池を抜いてノックしてもらうとか、電話してもらうとか、それが無理ならチャイムを静かなものに付け替えるとかなり効果がある。

うちはチャイムなし方式で長らく暮らしている。

人の動きについては、ドアのところに移動するときの速度を、「ゆっくり」から「非常にゆっくりと静かに」にしたほうがいい。

警戒吠えでもバタバタとせわしなく動くのはよくないが、興奮吠えの場合は興奮をさらに煽ってしまうので、動きをなるべく少なくしてスローペースで動いてみよう。

ドアフォンで話す場合は、静かな声でゆっくり話そう。

用事が終わって部屋に戻ってくる場合も、スローモーションのようにゆっくり動く。

人間がリラックスしてゆっくり動いていると犬も安心するし落ち着く。

なお、ピンポン吠え対策でおやつをあげて気をそらすやり方があるが、食べ物は少なからず犬を興奮させるという点と、警戒は食べ物では薄れないという点からやめたほうがいいとわたしは考える。

10年ぐらい前におやつばらまき方式を使ったことがあるが、食べている間は吠えられないので吠えがひどくて苦情が来ている場合の一時しのぎになるという以上の効果は見込めないのでやらなくなった。

犬に安心してもらうというのが一番効果的だし、犬のためにもなると思う。

くれぐれも吠えをゼロにしようなどと考えないようにしていただきたい。

 

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