ドッグウォーカー博士のスローライフ

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ストレス 問題行動

トイレにも風呂にも付いてくるー後追い行動の対処法

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風が強くて体感温度が非常に低い中、はっちゃん(秋田MIX♂9歳)は今日も元気にロング散歩を楽しんだ。

めずらしく次々に散歩中の犬に会って、しかもみんな引っ張り散歩だった。

2組は余裕で回避できたが、興奮度が高い柴犬の人は「待ってください」と言っているのにグイグイ近づいてくる。

そこでもう一度大きな声で、手を前に突き出し、「ちょっと待ってくださいっ!」と言ったら、ようやく少しスピードを緩めたのでその間に空き地に避難した。

ときどきこんな具合に言葉が通じない人がいてその9割以上が男性だ。

それでもはっちゃんが落ち着いて行動していたのは偉い。

 

「ちょっと一休みするよ」

 

「ここの草つまんでいくよ」。

 

「今日も満足~」

 

よかったね、はっちゃん。

ところで、トイレやお風呂に入るときに犬も一緒に付いてくることはないだろうか?

家に迎えたばかりの犬や幼犬では定番だし、成犬でもよくある行動だ。

社会性が高く人と愛着を形成する犬という生き物は、分離不安を感じるようにできているのではないかという人(John Bradshaw , In Defence of Dogs.)もいるぐらいなので、とくに珍しいことではない。

1歳未満の犬の半数に、人と離れることによるストレス行動(分離ストレス行動)が見られるという。

だが人一挙手一投足に常に反応し、行くところ行くところ常についてくるというのでは、犬自身がゆっくり休めなくなる。

それに、人の姿が見えなくなるたびにいちいち不安になるのもつらいだろう。

いっしょに暮らしている人間が、なんとか不安を和らげて犬に安心してもらいたいと思うのは当然のことだ。

その際によく陥りがちな誤りは、後追い行動をなくしたいとの思いから後追い行動自体を禁止してしまうことである。

付いて来ないようにドアを閉めるというのがその典型だ。

これではたして「人がいなくなる不安」解消するだろうか?

むしろ逆にますます不安になるのではないだろうか。

それに対し、いつでも姿が見えるようにしてあげたらどうだろう?

トイレに入るときも、風呂に入るときも、自分の部屋に入るときも、常にドアを少し開けておいて、犬が望むときにいつでもアクセスできるようにするのだ。

実際そのようにすると、後追い犬はかならず一緒に付いてくる。

それを何度も繰り返しているうちに、この中で人間は何をしているかということとともに、少ししたら必ず出てくるということを学習する。

するとそのうちにドアの前での待ち時間が減っていき、やがては付いて来なくなっていくのである。

ただし一時的に不安なことがあったときにはまた再発するが、それは当たり前だ。

それとストレスレベルが高かったり、常に不安にさいなまれている状態だったりすると、なかなかなくならないだろう。

それでも、犬が個室にアクセスできるようにしておくというのは大切なことだ。

最初のうちは、「トイレに行ってくるね」とか「お風呂に入ってくるね」などと毎回声をかけていくと、そのうちに「あぁ、あそこね」と学習して安心度が上がる。

声掛けの際には、落ち着いた声で、ゆっくりと、犬に語りかける感じで行おう。

とりあえず言ってますという感じよりも、安心してねという雰囲気で言ったほうが当然ながら効果がある。

タイミングは、自分自身が動き出してからではなく動く前にしたい。

犬が興奮して飛び回っていたり、後追いを始めてしまう前に、ということだ。

声掛けの後で興奮してしまうことも当然あるだろう。

そんな時は、時間が許す限り犬が落ち着いてからゆっくり動き出そう。

これは外出の際も同じだ。

後追いする犬は留守番も苦手なことが多いが、外出の際にも慌ただしく出かけずに、興奮した犬が落ち着くまで待って、それから隣に座って体をゆっくり撫でながら(←ここ大事)、もう一度どこに行くかなど説明して、そののちにゆっくり出かけよう。

興奮した状態で出かけるのと、落ち着いてから出かけるのとでは、留守番時の不安行動がまったく違う。

落ち着いてからの方がずっと少なくなるのである。

このような個別的な対処法も大切だが、もっとも大切なのは日常生活の中の小さなストレスや、ちょっとした不安を一つ一つなくしていくことである。

犬をその状況に慣らそうとする前に、困難な状況に陥らないようにまずは環境を改善しよう。

そうすることで犬は少しずつ安心感を獲得し、その結果「慣れ」が進んでいく。

スパルタ式は事態を改善させないばかりでなくトラウマリスクもあるので気を付けたい。

繰り返すが不安な時に一緒にいたがるのは普通の行動なので、そういうときはただ一緒にいてあげよう。

 

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