ドッグウォーカー博士のスローライフ

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意思を尊重するの勘違い

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天気予報通り朝から雨で、ずっと部屋で過ごしたはっちゃん(秋田MIX♂9歳)。

散歩に行けないのはわたしの方が耐え難い。

ご近所さんに「毎日散歩に行くの大変ですね」とよく言われるが、「いえ、これが楽しみなんですよ」と答えている。

散歩が大変だと思う人は犬の暮らしには向いていないだろう。

 

「ずっと雨だねぇ」。

 

ところで、子育てでも犬育てでもあるいはそれ以外でも言えることだが、「意思を尊重する」というと「要求をすべて聞く」と勘違いして批判する人が一定数いるように思う。

たとえば、子どもがごはんではなくお菓子を食べたいと言ったらお菓子をあげる、風呂に入りたくないと言ったら入浴はなしにするといった具合だ。

そんなことをしたら子どもによくない、だから「やりなさい」と言ってやらせるのが親の務めだと続くのも定番だ。

だが、声を大にして言いたいのは、子どもの言うとおりにするのも無理にやらせるのもどちらも違うということである。

このことをよく理解していただきたい。

「意思を尊重する」というのは、第一に相手の権利と自由を尊重するということである。

ただし、相手の判断が未熟だったり(子どもの場合はこの点に注意)、冷静に判断できない状態だったりして(犬ではありがち)、自分自身の利益についてよく理解していないと思われる場合は、相手の言い分によく耳を傾けて話し合う。

話し合いは自分の意見の押し付けではなく、対等な関係を意識する必要がある。

それを通して嫌な理由、やりたくない理由もわかってくるので、「これならなんとかできるかも」という方法を提案するのだ。

この方法を子どもの自分がやってもらえていたらどんなに苦手が減っていただろう、トラウマにならずに済んだだろうといつも思う。

先ほど子どもの例として、ごはんでなくおやつを食べたがるというのをあげたが、これは犬でも聞くことがある。

「わがまま」と思われがちだが、さまざまな理由が考えられるのでそれを探るのが先だ。

あげているごはんがおいしくないのかもしれない。

慢性ストレスで食が細くなっていて嗜好性が高くないと食べたくないのかもしれない。

市販の加工度の高い強い味付けのおやつは依存性が高いので、ジャンキーになっているのかもしれない(これは人間についてもあてはまる)。

いずれの場合も、現状のままに押し切ろうとするのではなく、ストレスマネジメントを行いながら、犬が好む上質のごはんに段階的に切り替えつつ、やはり段階的にジャンクなおやつを減らしていく、というのが犬を尊重したやり方だ。

その犬に特有の好み(好き嫌い)を無視しないというのも大事なことだ。

一般的にこうだからということにあまりとらわれないほうがいい。

人間でも感覚が過敏な人が存在するが(わたしもそうだ)、犬でもそういうケースがある。

特定の音や匂いなどに強い嫌悪を感じることがあるのだ。

なのでやはり本人の言うことに耳を傾けることが大切である。

犬の脳は人間と非常によく似ており、複雑な感情を持っていることが明らかになりつつある。

人間の思い込みを押し付けないようにしたいものだ。

 

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